TFCC (三角繊維軟骨複合体)損傷
症状
腕を捻ったり手首(以下、手関節)を小指側に曲げた時に、手関節尺側(小指側)に痛みが出現します。通常、安静時痛はありません。
ドアのノブを捻る時や、鍋などを持ち上げる時などにも痛みが出ます。
原因・病態
手関節の尺側にある三角繊維軟骨複合体(TFCC)という組織が損傷されることで痛みが出ます。けがによるものと加齢に伴うものに大別できます。後者では無症状のこともあります。
診断
【図1】では手関節尺側の圧痛、運動時痛があります。
【図2】では手関節を尺屈(小指側に屈曲)した状態で前腕を回内外する(手首を回施させる)と痛みが誘発される(コンプレッションテスト)。
その他、単純レントゲンでの橈骨・尺骨の長さの違いがあるかをチェックしたり、関節造影やMRIを行う。
治療
【保存的療法】
- 固定やサポーターによる局所安静を行います。
- 局所麻酔剤入りのステロイドを注射して、炎症を押さえることもあります。
【手術療法】内視鏡による修復術や尺骨短縮術など様々な手術法があります。専門医(手の外科医)にご相談ください。