ばね指(弾発指)
症状と原因
指は腱によって曲げ伸ばしをすることができます。屈筋腱には、腱の浮き上がりを押さえる靱帯性腱鞘(じんたいせいけんしょう)というトンネルがあります。
屈筋腱と靭帯性腱鞘との間で通過障害が起こると、指の付け根に痛みや腫れが生じます。これを腱鞘炎と呼び、進行するとばね現象(弾発)が生じます。これがばね指です。
更年期の女性に起こることが多く、妊娠時、産後に生じることもあります。糖尿病、透析患者にも発生し、母指、中指、環指に多くみられます。
病態
原因は明らかではありませんが、腱鞘が腫れたり、腱が太くなったりすることにより通過障害をきたし症状が強くなります。
治療
【保存療法】
- 局所の安静で刺激を少なくしましょう。装具を当てて固定することがあります。
- 腱鞘内に局麻剤入りステロイド注射をして、症状を押さえます。
【手術療法】保存療法で治らないときや指が曲がったまま伸びないときなどに行います。切断するのは腱鞘の一部だけです。小さな傷で済みます。